2026.11.02
台風・災害時の労務管理
こんにちは!
ベンチャーパートナーズ社会保険労務士法人のブログをご覧いただきありがとうございます!
当ブログでは、労務・人事に関する最新情報や、企業の実務に役立つポイントを分かりやすくお届けしています。
今回は、台風や大雨、地震などの自然災害が発生した際に確認しておきたい
「休業手当の取扱い」と「災害時の労務管理」について解説します。
災害発生時には、従業員の安全確保を最優先にしながら、休業や出勤停止などを適切に判断する必要があります。
1.災害時の休業手当は必要?
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、
会社は従業員に対して平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があると定められています。
ただし、台風や地震などの自然災害による休業については、
不可抗力によるものと認められる場合、休業手当の支払いが不要となることがあります。
不可抗力と認められるためには、一般的に次の2つの要件を満たす必要があります。
- ・事業の外部から発生した事故であること
- ・通常の経営者として最大の注意を尽くしても避けられなかったこと
⚠️ 単に「台風だから」という理由だけで、休業手当が不要になるわけではありません。
2.具体的なケースと判断のポイント
災害時の休業手当は、休業に至った経緯や会社の対応によって判断が異なります。
【ケース①】台風の接近を理由に会社が自主的に休業した場合
事業所の営業が可能であるにもかかわらず、会社の判断で休業する場合は、
休業手当の支払いが必要となる可能性があります。
【ケース②】災害により事業所が使用できなくなった場合
浸水や建物の損壊などにより事業の継続が困難となり、不可抗力による休業と認められる場合は、
休業手当が不要となることがあります。
このように、災害時であっても一律に判断することはできず、個別の状況を踏まえた対応が必要です。
3.企業が事前に準備しておきたいこと
災害発生時に慌てないためにも、平時から次のような事項を確認しておきましょう。
① 緊急連絡網・安否確認方法の整備
災害発生時に従業員の安否を確認できる連絡体制を整えておきましょう。
② 出勤停止・自宅待機の判断基準
交通機関の運休状況や気象警報、事業所周辺の状況などを踏まえ、判断基準を明確にしておくことが重要です。
③ 在宅勤務への切替え
出勤が困難な場合に備え、在宅勤務への切替えが可能か検討しておきましょう。
④ 休業時の賃金・休業手当の確認
休業時の賃金や休業手当の取扱いについて、就業規則や社内規程を確認しておきましょう。
4.まとめ
台風や地震などの自然災害は、いつ発生するか分かりません。
災害時には従業員の安全確保を最優先にしながら、
休業や出勤停止、賃金の取扱いなどを適切に判断する必要があります。
特に、災害による休業であっても、必ずしも休業手当の支払いが不要になるわけではありません。
いざというときに適切な対応ができるよう、平時から就業規則や社内体制を整備しておきましょう。
災害時の労務管理や休業手当の取扱いについてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
【参考法令・資料】
- 労働基準法第26条(休業手当)
- 厚生労働省「自然災害に伴う労働基準法や労働契約法の取扱い等について」
※実際の休業手当の支払い義務は、個別の事情によって判断が異なります。